神武天皇(ジンムテンノウ)「日本神話の世界」

神武天皇ジンムテンノウ

神武天皇1
神格
軍神、農業神、海の神
祀られている神社
橿原神宮(奈良県橿原市久米町)
宮崎神宮(宮崎市神崎町)
狭野神社(宮崎県西諸郡高原町)
神武天皇2
神徳
延命長寿、開運将来、病気治癒
別称
神倭伊波礼毘古命(やむやまといわれびのみこと)、豊御毛沼命(とよみけぬのみこと)、若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、豊毛沼命(とよけぬのみこと)、神日本磐余彦火火出見尊(かむやまといわれびこほほでのみこと)
系譜
ウガヤフキアエズ、タマヨリヒメの第四子
詳細
神武天皇(ジンムテンノウ)は初代天皇であり、大和朝廷の建国者でもある伝説的な神です。神武天皇に関してのエピソードについては人とも神とも言えない部分があり、全て創作されたものだという説もありますが、イギリスの物語に出てくるアーサー王などと同様に歴史的観点から、そのような人物がいないと説明がつかない部分もある為、現在では複数の有力首長の話をまとめたものではないかと考えられています。

神武天皇といえば、大和朝廷を建国するまでの征服戦争として知られている「神武東征」で有名ですが、この神武東征とは神武天皇生まれ故郷である九州の宮崎県(日向)から大分県、福岡県、広島県、岡山県、大阪府などの瀬戸内海沿いの土地を次々と平定し、最後に建国の中心的な地域である奈良県で宮を築いて王位につき、大和町の基礎を作り上げるまでの話を指しています。

この神武東征においては数々の有名なエピソードが存在し、中でも最大の難敵であったナガスネヒコの率いる軍勢との戦いにおいて苦戦を強いられていた際に神武天皇の持っていた弓に天空から舞い降りてきた一羽の鵄(とび)が止まると雷光のように激しく輝きだし、敵軍の目をくらまし戦意を喪失させたというものです。
この場面における鵄は金鵄(きんし)と呼ばれ、神武天皇の弓の上で光る金鵄の姿は最も有名な場面として絵の題材などにも多く使われています。

また、神武東征において忘れてはならないのが八咫烏(ヤタガラス)と呼ばれている足が三本あるカラスの存在で、神武天皇が紀伊半島に入って熊野の山道を進んでいるとアマテラスより遣わされた八咫烏が道案内をしたというものです。

神武東征においての活躍から軍神として広く知られている神武天皇ですが、曾祖父であるニニギは稲穂の神であり、神武天皇も「穂穂手見(ホホデミ)」という別称を持ち、農業神としての側面も持っているとされています。
また、神武天皇の母は名をタマヨリヒメと言い、タマヨリヒメが海神の娘である事から神武天皇にも海神としての性格も備わっていると言われています。
このように神武天皇は軍神としてだけでなく、人々の生活を豊かにする農業神や海の神としての役割も担っていると言えるでしょう。
スポンサーリンク