熊野(クマノ)「日本神話の世界」

熊野クマノ

熊野1
神格
樹木の神、海の神、山の神
祀られている神社
熊野本宮大社(和歌山県東牟婁郡本宮町)
熊野速玉神社(和歌山県新宮市)
熊野那智大社(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)
熊野2
神徳
延命長寿、無病息災、病気平癒、国土安穏、開運招福、出世開運、商売繁盛、厄除け、盗難除け、縁結び、夫婦和合、子宝・安産、漁業の守護神
別称
熊野神(クマノノカミ)
系譜
イザナギ、イザナミの子
詳細
熊野神(クマノノカミ)とはユネスコの世界遺産に登録された「紀伊山道の霊場と参拝道」の構成要素でもある和歌山県の熊野地方の熊野本宮大社、熊野速玉神社、熊野那智大社の三社に祀られている神霊の事を指し、この三つの神社を総称して熊野三社、熊野三山、三熊野などと呼ばれる事もあります。

熊野本宮大社に祀られている家都御子神(けつみこのかみ)とはスサノオの別名であり、樹木の神とされています。スサノオが樹木神とされたのは天から舞い降りてくる際に多くの種類の樹木を携え、息子のイソタケル、妹のオオヤツヒメ、ツマツヒメにスサノオが天より持ち込んだ樹木を熊野一帯に植林した結果、豊かな森ができたという日本史神話にちなんだものだと言われています。

熊野速玉神社の祭神はイザナギとイザナミの子であるハヤタマオで、他の二社が山と滝を背景としてる事に対してハヤタマオが祀られている熊野速玉神社は海に関係している神社だと言われています。
その事を裏付けるかのように同社では神輿を歩目に乗せて渡御し、神霊を島に渡らせるというものがあり、このような神事は漁師たちの漁業の守護などとも深い結びつきがあります。

最後の熊野那智大社はフスミを祭神とし、古くから日本における第一の名滝とされている「那智の滝」を御神体としています。
祭神であるフスミとはイザナミの事だとされていますが、アマテラスがスサノオと誓約をした際に生れた熊野久須毘(クマノクスビ)だとも言われてます。
熊野那智大社は神武天皇が熊野に上陸し、皇軍が山中で道に迷った際に、アマテラスが道案内役として派遣したとされている八咫烏(ヤタガラス)が祀られている事でも有名で、熊野三山の護符である「午王宝院(ごおうほういん)」にカラスの絵が描かれています。

鎌倉・室町時代には武家や庶民の間で熊野信仰が広まった事によって「蟻の熊野詣」などと例えられるほど、多くの人々が集まるようになったと記されています。
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