大山咋(オオヤマクイ)「日本神話の世界」

大山咋オオヤマクイ

大山咋1
神格
山の神、比叡山の地主神、神仏習合による天台密教の護法神、農業神、酒造の神
祀られている神社
日吉大社東本宮(滋賀県大津市坂本)
松尾大社(京都市西京区嵐山宮町)
日枝神社(東京都千代田区永田町)
大山咋2
神徳
産業繁栄、子孫繁栄、厄除け、開運招福
別称
山末之大主神(やますえのおおぬしのかみ)、鳴鏑神(なりかぶらのかみ)、日吉山王権現(ひえさんのうごんげん)
系譜
オオトシの子
詳細
大山咋(オオヤマクイ)は日本の霊山として最も広く知られている山の一つである比叡山(日枝山)の守護神として古くから信仰されてきた神で、大山咋の名の中にある「咋」とは「杭」を指し、大山咋とは「大きな山の所有者」と言う意味になります。

日枝神社(ひえじんじゃ)の祭神として、その名が全国に広まっている山の神オオヤマクイですが、京都の浮田明神の伝承においてはオオヤマクイは丹波国一帯を切り開いて国土とした事から国土開発の守護神として記されているなど、あまり知られていない側面も持っています。
また、京都最古の神社のひとつとされている松尾大社(まつのおたいしゃ)ではオオヤマクイは醸造の神様として酒造関係者などから崇敬されています。
本来、オオヤマクイと酒造は特に関係はありませんでしたが、松尾大社の近くの秦氏の氏寺・広隆寺の境内に祀られていた大酒神社の酒造の神が合祀されて、酒造の神としての神格も備えるようになったと言われています。
このような経緯から現在も11月の初旬には醸造業繁栄祈願の祭りとして上卯祭が行われ、全国から酒造業の関係者が参拝しています。

神話の中でのオオヤマクイは、丹塗屋(にぬりや…赤く塗った鏑矢)に化身する神霊としてえがかれ、矢となって若い乙女の元を訪れて結婚し、御子神を産むなどする神婚説話として語られており、この話は丹塗屋伝説と呼ばれています。
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