武甕槌(タケミカヅチ)「日本神話の世界」

武甕槌タケミカヅチ

武甕槌1
神格
剣神、武神、軍神、雷神
祀られている神社
鹿島神社(茨城県鹿島町)
春日大社(奈良市春日野町)
石上神宮(奈良県天理市布留町布留山)
真上神社(秋田県男鹿市)
古四王神社(秋田市寺内字児桜)
塩釜神社(宮城県塩釜市一森山)
椋神社(埼玉県秩父郡吉田町)
大原野神社(京都市西京区大原野南春日町)
吉田神社(京都市左京区吉田神楽岡町)
枚岡神社(大阪府東大阪市出雲井町)など
武甕槌2
神徳
武道守護、殖産興業、国家鎮護、芸能上達、豊漁、航海安全、安産、病気平癒、厄除け、縁結び、延命長寿、交通安全
別称
武甕槌命(たけみかづちのみこと)、鹿島神(かしまのかみ)、鹿島様(かしまさま)、建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)、布都御魂神(ふつのみたまのかみ)、建布都神(たけふつ)、豊布都神(とよふつ)
系譜
火の神カグツチの血から生まれた神。藤原氏の祖神としても知られています。
詳細
武甕槌は武甕槌命または鹿島さまの名で呼ばれる事の多い神で、日本神話ではイザナギが火の神カグツチの首を切り落とした際に噴出した血から生まれた剣神として描かれています。

タケミカヅチのエピソードの中で最も有名なものとしては「国譲りの神話」が挙げられます。これはタケミカヅチがアマテラスの命によって、地上の王であるオオクニヌシに地上統治の権利を譲るように働きかけるというエピソードです。その交渉の際にタケミカヅチは十柄剣(とつかのつるぎ)の切っ先をうえにして波頭(はとう)を突き立て、その剣先に胡坐をかいて威嚇し、オオクニヌシに地上の統治権の譲渡を承諾させたとされています。

もうひとつの有名なエピソードとしては神武東征神話において熊野の悪神の化身である大熊の毒気に当たって気を失ったカムヤマトイワレビコ(神武天皇)の危機をタケミカヅチが自分の身代わりとして布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)を地上に下す事で救ったというもので、このエピソードにおいても剣がキーワードとなっており、タケミカヅチの「正義の剣」としての役割を印象づけています。

剣神や武神として知られているタケミカヅチですが、雷神としての側面も広く知られており、日本神話の中でも雷を連想させるエピソードがしばしば登場します。
また、古代人は天から降ってくる恐ろしい雷を物体を切り裂き破壊する剣になぞらえていたともされており、剣神と雷神が同一であるという事にもつながり、雷は火とも関係が深く、火の神カグツチから生まれたタケミカヅチはそういった意味でも正に雷神に相応しいと言えます。

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