月読(ツクヨミ)「日本神話の世界」

月読ツクヨミ

月読1
神格
月の神、農耕神、占いの神、海の神、漁業の神
祀られている神社
出羽三山・月山神社(山形県東田川郡立川町月山)
鳥海月山両所宮(山形市宮町)
賀蘇山神社(栃木県上都賀郡栗野町)
伊勢皇太神宮内・月読荒魂社・月読宮(三重県伊勢市)
松尾大社の摂社・月読神社(京都市西京区室山添町)
西寒田神社(大分市寒田)など
月読2
神徳
海上安全、農業、五穀豊穣、諸願成就
別称
月夜見命(つきよみのみこと)、月読神、月弓尊(つきゆみのみこと)
系譜
イザナギの子
詳細
月読(ツクヨミ)は名前からも分かる通り、月を象徴する神で日本神話における唯一の月の霊神でもあります。また、アマテラス、スサノオらと合わせて最も尊い神「三貴子」と呼ばれています。
現在ではアマテラスに象徴される太陽神に対する信仰が中心となっていますが、古代の日本においては月も人々にとって非常に重要な位置を占めていたとされています。

月読の読(よみ)の部分は月の満ち欠けを数えるという意味が込められており、一定の周期で起こるこの現象を数えるという事は暦を読む事と大きく関係していると言われています。
古代の日本人にとっては食料を得る事ができる農業は大変、重要な産業であった為、季節の移り変わりを知る上で月の満ち欠けを数え、一定の周期で作物を作っていくという事は安定した収穫を得る上で必要不可欠なものであり、月の重要性は現代人のそれとは全く異なったものであったと考えられています。
また、「月を読む」という事には吉凶を占うという意味もあり、古代の日本では月を観測して暦を定め、一年の農事を占う専門家がいたのではないかと言われています。
ツクヨミは農業以外にも漁業の神として祀られている事もありますが、これは月が海の干潮を司り、魚の産卵などに影響を与えている事が理由だとされています。

ツクヨミは夜を支配する神としての側面も持ちますが、これはイザナギがアマテラスには高天原をスサノオには大海原を、そしてツクヨミには夜を統治するように命じた事に由来します。
こうして三貴子の一柱数えられる事になったツクヨミですが、アマテラスやスサノオに比べて文献の記述は非常に少なく、有名でありながら謎が多いという点はギリシャ神話における冥界の神であるハデスとも共通する点だと言えるでしょう。
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