矢乃波波木(ヤノハハキ)「日本神話の世界」

矢乃波波木ヤノハハキ

神格
産神、屋敷神、箒神
祀られている神社
伊勢神宮・内宮(三重県伊勢市宇治館町)
神徳
安産守護、招福、家屋敷の守護
別称
矢乃波波木神(ヤノハハキノカミ)、波比岐神(ハヒキノカミ)
系譜
オオトシの子
詳細
矢乃波波木(ヤノハハキ)は現在ではやや存在感の薄くなった掃除道具である「箒(ほうき)」に宿るとされている女神で、日本全国でも伊勢神宮内宮でしか祀られていない事からあまり一般的には知られていない思われますが、ヤノハハキは箒の神という神格以外にも屋敷の神、安産の神としての側面も持っている事もあり、現在においても根強い信仰が脈々と続いています。

ヤノハハキが産神とされるようになったのはヤノハハキの名前の「ハハキ」という部分が「母木」に通じるとされ、そこから「母木=生命を産む木」という考え方が生まれた事によって産神とされるようになったと言われれています。
また、もうひとつの神格である「屋敷神」というのはヤノハハキがアマテラスの宮の建つ敷地を守護するという役目を担っている事から発生したと考えられており、ヤノハハキは古代の朝廷においても伊勢の宮地の神霊として崇められていたと伝えられています。

尚、箒でゴミを掃き寄せるという行為は霊魂をかき集めるという行為に変換される事によって、箒は神秘的な力を持つ道具と考えられるようになり、様々な占いや儀式にも呪物としても用いられるようになりました。
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