草薙剣(くさなぎのつるぎ)「日本神話の世界」

草薙剣くさなぎのつるぎ

草薙剣1
分類
武器
持ち主
スサノオ、ヤマトタケル、ニニギ
草薙剣2
現在の所在
熱田神宮の奥深くにご神体として安置されています。
別称
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)、草那芸之大刀(くさなぎのたち)、都牟刈大刀(つむがりのたち)、都牟羽大刀(つむはのたち)、八重垣剣(やえがきのつるぎ)、沓薙剣(くつなぎのけん)
詳細
草薙剣(くさなぎのつるぎ)は神話においてはスサノオの八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治のエピソードで最初に登場します。
その中でスサノオが娘を生贄として差し出す事になっていた夫婦に強い酒を用意させてヤマタノオロチに飲ませる事に成功し、ヤマタノオロチが酒に酔って眠り込んでいる隙にスサノオが持っていた剣でヤマタノオロチを切りきざみ退治します。
しかし、尾を切った際に何か硬いものにぶつかってスサノオの剣が欠けてしまいます。そこで尾の部分を裂いて確かめてみると尾の中から見事な剣があらわれ、スサノオはこの剣を持ち帰ってアマテラスに献上します。
このスサノオからアマテラスに献上された剣こそがのちの草薙剣で「日本書紀」によるとこの時はまだ天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と呼ばれていました。

その後、この剣はヤマトヒメの手から火打石の入った袋と共にヤマトタケルの手に渡る事となり、賊に騙されて野に入った際にヤマトタケルは周囲から火をかけられて炎に囲まれてしまいます。
この絶体絶命のピンチでヤマトタケルは天叢雲剣で自分の周囲の草を薙ぎはらい、火がまわってくる前に袋の中に入っていた火打石で火をつける事によって草を焼きはらい事なきを得ます。
こうして炎の中から無事に生還したヤマトタケルは自分を騙した賊達を斬り殺して火で焼いたとされ、この時より天叢雲剣は「草薙剣」と呼ばれるようになります。

ヤマトタケルの死後、妻であったミヤズヒメの手によって尾張一族の祭場であった熱田の地に熱田神宮が建造され、ヤマトタケルの形見となった草薙剣は熱田神宮に祀られて今日に至ります。
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